ブナの蓄積量日本一の青森県で誕生したBUNACO(ブナコ)。
ブナの木を薄いテープ状にして巻きつける独自の手法で作られる照明やスツール、雑貨など。
なぜブナなのか。どうやって作るのか。
BUNACOのプロダクトへのこだわりと愛される理由を徹底的に掘り下げました。
日本一、ブナが生えている青森県。
ブナ天然林で有名な白神山地は世界自然遺産に登録されるほど。
「この豊富なブナ資源をどう有効活用しよう」
この考えがBUNACOが生まれた背景です。
ブナをかつらむきのように薄いテープ状に加工し、
ぐるぐると巻きながら成型していく変わった製法。
その薄さはなんと1ミリ。
薄く加工すると、どんないいことがあるか。
まず、ブナ材活用の最難関門だった反りやねじれなど
「狂い」の問題が圧倒的に起こりにくくなります。
さらに、ランプシェードなど直径が大きいものでも木の塊からくり抜くのと違って、
少ない材料でつくることができるので資源を無駄にしない。
なんとも画期的なアイデア。
僕はてっきり、おじさんたちが数人集まって、「なんか巻いてみたらおもしろいんじゃない」
みたいな感じで生まれたのかと思ってました。
全然違いました。ごめんなさい。
実は、リグナにいるんです。青森出身の子が。
『私の地元、BUNACOなんです!!』ってアピールしてくるんです。
その子の地元では、学校でBUNACOのつくりかたを
学ぶ授業(!)まであるみたいで、
BUNACOの魅力について情熱的に語ってくれました。
その、あまりのBUNACOへの愛の深さ。
青森ふるさと大使に任命しました。私のなかで。
そのふるさと大使にいろいろ教えてもらいました。
BUNACOはどこかの国の賞をとったとか、
グッドデザイン賞をとったとか。
なかでも2008年の洞爺湖サミットで各国首脳への手土産に
BUNACOのトレイが贈られたっていうエピソードには驚きました。
だってブッシュやサルコジが
自宅で使ってる可能性、あるんですよ?
他にも六本木ヒルズの有名店や
リッツ・カールトンに採用されたり、BEAMSとコラボしてたり。
地元の手仕事が世界的なホテルや
有名セレクトショップに選ばれてるとなったら、
そりゃ自慢したくなる気持ちもわかる。
伝統工芸が陥りがちな、違いがわかる一部の人間だけに
愛されてるとかではなくて、老若男女、愛されてる。
なかなかないですよね。
多灯使いもきれい。ブナの素地色×ウォールナットも実はよく合う。P641。
こちらもP641。灯りをつけていない時はまったく透けていません。
そんな、なんだかすごいBUNACO。
それだけのブランドなら、さぞ立派な工場でガッシャンガッシャン
作られてるんだろうなー、と思ったら、違うらしい。
BUNACOの製作現場は機械がほとんどなくて、
製作工程は職人さんによる手仕事がメイン。
ブナのテープは1ミリの薄さといっても、
紙テープを巻くのとはわけが違う。
木だから、ある程度はかたいし、しなる。
それを緩まないように巻いていく作業は
大変な力仕事なんだそう。
巻きつけてコイル状になったら、
湯のみ茶碗を使って押し出しながら成型していく。
なんで湯のみ茶碗か?
BUNACOがスタートしてからこれまで、
いろいろな道具を成型に試してみて、
最終的にいきついたのが湯のみだったんだとか。
また、湯のみといっても
なんでもいいわけではなく、
ある有名生活雑貨メーカーの
湯のみの大きさ、かたちが一番良いという。
ちなみにBUNACO本社工場がある弘前では、
BUNACO製作体験ツアーなるものが行われていて、
この手仕事を体験することができる。
僕も行きたい。
器を成型中。お邪魔してすみません。
僕がBUNACOのラインナップの中で
個人的に推したいのは、やはり照明。
壁からも床からも切り離されて、
その独特のなめらかな曲線が
宙にぽつんと浮かぶ姿。
テープの段差により生まれる
溝のような模様が、昼間は陽の光を受けて
陰影を際立たせるさま。
夜になり灯りをつけると、
薄さ1ミリのブナ材を赤く透過して醸す、
ミステリアスな色気。
なんというか、BUNACOの魅力がぜんぶ詰まってる。
コーディネートに取り入れやすいのもいいところ。
ナチュラルなお部屋には間違いなくハマるし、
和のインテリアは言うまでもなく。畳とも相性が良いです。
もはや定番となった北欧テイストにも、
リグナで人気のウォールナット系と組み合わせても意外とイケる。
ブラックやダークブラウンなんてシックな色もあるものだから、
ダークトーンでまとめたお部屋でも問題なく合わせられます。
P321はフチの部分だけ赤く透ける。
「コロン。」とした形がかわいいティッシュケース。なんと言ってもこの形が私の心をくすぐります。
「SWING」という名の通り、ティッシュを取り出すとゆらゆら...と揺れます。取り出す毎にゆらゆらと動くなんてちょっとわずらわしいかな、なんて思っちゃいませんか?そんなことないです。可愛いです。そして意外とさっと取り出せます。
この揺れを生む丸いフォルムも、私が「SWING」をおすすめしたい理由の1つです。木製のティッシュケースってふつうは角ばったものが多くて、丸いものってあまりないですよね。優しさが溢れている感じがします。
ただ、丸い形って実用性あるのかなって不安になりますよね。でも大丈夫です。どんなティッシュボックスが合うとか合わないとか。そんなちょっとした情報もついてきます。
大体のティッシュボックスには対応してるので問題なく使ってもらえますが、しかし...鼻セレブみたいな背の高いものにはまだ対応してないみたいです。
でもですね、箱から取り出して中身だけ入れてもらえればちゃんと使えます。花粉症さんにも鼻炎さんにも自信をもっておすすめできます。そう、鼻セレブ meets BUNACO。(私の場合は2月がちょうどその時期でした。)
そしてもうひとつ。「SWING」の嬉しい情報。最近よくあるスリムタイプのティッシュボックスでも使いやすい様に、ちょっとした底上げの台紙もついてきます。
プレゼントとして送っても結構喜んでもらえます。おしゃれなので。ティッシュケースってあまり気を遣ってお金をかけたりしないから、もらうと嬉しいんですよ、これが。
こんな風に可愛くて、実用的で、しかもちょっとした気遣いつき。これ女子だったらすごいモテる子じゃない!?とか思いつつ、私は「SWING」を傍に置いて素敵女子になることを夢見てます。
薄さ1ミリのテープから創りだされる実に様々な道具たち。スツールだって作れちゃいます。
「薄さ1ミリって、強度的に大丈夫なの?」そんな心配は全くご無用。
大人の男性が座ってもびくともしません。それなのに女性が片手で持てちゃうくらいの軽さ。こんな製法BUNACOにしかできない。きっと。
この文章を書いてるまさに今。私のお尻をブナコスツールが支えてくれています。
なんとも言えない安心感。「ブナに包まれているような~」はさすがに言い過ぎですが。
これがまさか1ミリのテープから作られているなんて青森県民はよく考えついたなあと我ながら感心します。
実はですね、エントランススツールっていう通常のものよりも少し背の低いものもあります。
小さいものって結構役に立ちます。玄関先で靴を履く時とかですね、「よいしょっ」と座ってもらって。
あると便利かも~な存在です。でもってデザイン性も高いです。
座面も革とファブリック両方選んでもらえます。私は優しい感じのするファブリックが好きです。
青森の寒い冬に玄関に置いていても、冷たくならないので好きです。(半分冗談です。)
肝心の座り心地ですが。もうほんとに、これだけは座ってみてもらわないと。
私の国語力ではまだまだ語りきれません。百聞は一見に如かずって言うじゃないですか。ちなみにこれ、リグナで座れちゃいます。うまく伝えるのが難しいので、来てみてください。
その数実に30~40種類ほど。豊富なラインナップのBUNACOランプの中でも私を魅了してやまないのが「P321」
本当に手作りなの?と疑問を抱いてしまうくらいの隙のない美しさを持っています。
ブナコの製法ならではの、職人さんの手によって生み出される曲線美。
この形、地元の「岩木山」を思い出さずにはいられないのです。(ちなみに津軽富士って呼ばれるくらいの立派な立ち姿なんです。)
あとですね。
照明ってふつう触るものじゃないんですけど、これがまた触ってみたくなる見た目をしていまして。
ぽこぽこしてるものって、つい触りたくなるじゃないですか。このシェードの表面ってまさにその触ってみたくなる整った段差ができてるんです。結構な時間見ていても飽きないです。
見ていて飽きないと言えば、光が透けたときの赤さ。うっすらと見える木目に、やっぱり木なんだなあと。
アクセントの赤いワンポイント。なぜかわからないんですけど、見入ってしまうんですよね。
たぶんあれです。ブナコはなぜ赤くなるのかっていうのを考えてるんです。答えは未だにわからないんですけども。(BUNACOが赤く透けるの、私のお気に入りです。)
BUNACOランプって、結構びっくりするようなデザインのものも中にはあるんですけど、(フランスの何とか展にも出品されてますって言うと想像がつきますかね...)この「P321」は比較的シンプルな形。
シンプルな形だからこそ空間に取り入れやすい。
とは言っても縁にいくにつれてほわっと包み込んでくれるようなその輪郭とか、個性がないわけではないんです。
むしろこんな優雅な曲線美、なかなかないんじゃない?って思います。
決して主張はしないのに、いつの間にか空間を素敵に彩ってる。シンプルって言いながら、ちゃっかり魅力満載。そんな感じの、にくいやつです。
今回ブナコ特集を組むにあたり、
なんで私はブナコが好きなのか、改めて考えてみた。
元々「手仕事」に弱いとか、木が好きだからとか、
それは大いにあると思うけど、ブナコには他のそれにはない、何かがある。
たぶん私が惹かれるツボのひとつは、その意外性。いかにも「手作りです!」っていう感じは出さず、
控えめ。そしてすごく整っている。
板を組み合わせたわけでも、木のカタマリをくり抜いたわけでもなさそうなカタチもあいまって、
ものによっては木でできていることも、ぱっと見わかりにくいらしい。
お店でブナコのライトとかを見られているお客様に、「これ、ブナの木を巻きつけて作られてるんですよ」とお伝えすると、
かなりの確率で、ビックリされるのがちょっと楽しかったり。
ブナコって「佇まい」って言葉が似合うなぁって思っているのだけど、
でもただきれいなだけだったら、たぶんここまで惹かれなかったと思う。
実は青森の伝統工芸で、かつらむきみたいに薄くしたブナを巻いて作ってるとか、
作るのに湯のみを使ってるとかっていう面を知って、さらに好きになった。
めちゃ美人で洗練された子が、東京出身だったらさすが都会って思うけど、
「青森出身です」っていわれると、別に青森県民じゃないのに親近感わくっていうか、
なぜかちょっとうれしいっていうか安心するっていうか、そんな感じに近いかもしれない。