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スペシャルインタビュー コンテンポラリーアーティスト大橋澪 × Rigna ーアートを身近に感じてもらえるような取組をしたい

アーティストの大橋澪さんとRignaの「Interior×Art」のコラボイベントに合わせて、今回は大橋澪さんにこれまでのキャリアやアート作品のことについてインタビューしました。

DATA

「大橋澪」というアーティストを知る

Rigna まずは大橋さんについて教えて頂きたいので、簡単に自己紹介をして頂けますでしょうか?
大橋 はじめまして!画家の大橋澪と申します。3年前に画家になり、それまでは会社員をしておりました。現在は3歳、1歳を育てながら画家をしております。
Rigna まだ活動されて3年なのですね!会社員からキャリアチェンジして画家になられるという、割と珍しいキャリアかと思いますが、大橋さんが絵を描くことになったきっかけはいつ頃なのですか?
大橋 最初に絵を描いたきっかけは小学5年生の誕生日に両親に色鉛筆をプレゼントしてもらったことです。それ以来、子供ながらにストレスを感じた時に、絵を描いていました。学校でテストがあった時、優等生顔をして疲れた時・・・そんな時は帰宅後、部屋にこもって学習机に向かい、色鉛筆で画用紙に自分の好きなものや憧れを抱く景色などを組み合わせて絵を描いていました。

小学校5年生の誕生日に両親にプレゼントしてもらった100色色鉛筆「トンボ IROJITEN」

大橋 絵を描く時間だけは、誰にも邪魔されない「聖域」でした。正解もなければ、点数をつけられることもない。絵を描くことで、現実逃避をして、日々のストレスを浄化していたんだと思います。この心身のバランスを保つような活動は、社会人になってからも週末に無意識に行っていました。そのため、画家として活動をスタートする前に、画用紙に描いた絵の数は300点以上もありました。
Rigna 絵を描くことが大切な時間だったのですね。そんな中で会社員から画家になるというきっかけはどんな転機があったのですか?
大橋 画家になる転機が訪れたのは3年前、コロナ禍で妊娠した時です。それまで終電の時間を超えても、週末ですら働くようなリズムで会社員として仕事に打ち込んでいたのですが、この時、人生観が180度変わりました。コロナ禍で海外とやり取りする仕事が打ち切りになり、仕事は休業に。また、私は妊娠の経過が良くなく寝たきりに。未知のウイルスによる世界の混乱という外部環境の変化と、自分自身の体調の変化で、それまで当たり前だった日常が全てなくなってしまった気持ちになり、寝たきりで天井を見つめながら、これから私はどう生きていくのか、と毎日考える日々が続きました。

大橋 そんな私を見兼ねた夫が、「今まで熱心に絵を描いてきたんだから、Instagramにでも掲載してみたら?」と言ってくれたんです。私は今まで描いてきた絵は家族以外に見せたこともなく、自信は全くなかったので、横になりながらスマホで投稿してみました。匿名で、ひっそりと(笑)。すると、信じられないことに「絵を買いたい」という方からコメントをもらったり、ギャラリーから連絡が入ったりと、みるみるご縁をいただくようになったんです。それが私の画家活動の幕開けとなりました。
Rigna コロナと妊娠が大きな転機だったのかぁ・・・。家族以外に絵を見せたことなかったのは意外?でした。Instagramでもひっそりと投稿されていたんですね(笑)。大変な状況から大きなチャンスと転機に繋がっていったきっかけがSNSというのは、今の大橋さんの強さにもつながっているんだと思います。そこから画家としてキャリアをスタートされたのですね。
大橋 そうですね。私が今までアートに救われて癒されてきたように、今度は同じように作品を見てくださる方に、アートに寄り添ってもらう、元気をもらうという経験を提供していきたいと決意し、活動を始めました。今では、ヒルトン等のホテルや、オフィス、ショールーム、個人邸へ500点以上の作品を納品するまで活動も広がりました。また今回、RIGNAコラボレーションも実現しました!
Rigna 3年で500点というのはかなり多い点数ですね。今回のコラボ企画で大橋さんのファンの方にも、それ以外の方にも多くの方にRignaのショールームで大橋さんのアートに見て触れてもらいたいですね。

作品の紹介

Rigna 大橋さんがアートを製作する際の思い、またそのアートの特徴を教えてください。

大橋 作品を作るとき、私は自分が人生で出会った美しいと感じたものを、頭の中で再構成して描いています。日本も含めて、今まで暮らし、旅した30カ国以上でみた壮大な自然の景色、建築物や遺跡。五感で感じる光、風、香り、音。私は小さい頃から、香りや音にも色が見えるので、そういった無意識の色も作品に取り入れて、組み合わせて表現しています。共通しているのは、私が心の底から「美しい」と感じたものという点です。具体的な作品シリーズは、現在3種類あります。

ボーダレス
BORDERLESS

大橋 まずはBORDERLESS(ボーダレス)というシリーズ。これはどこまでも広がる、無限の空や、はるか彼方にのびる地平線や水平線を描いています。 そこに太陽の光が差す瞬間、境界線は輝いてやさしく溶け合い、上と下の世界を隔てていた境目がなくなり、ひとつの世界になる。
そんな瞬間を表現した作品シリーズです。抽象画のため、海に見えたり、空に見えたり、大地に見えたり・・・と、飾る環境や見る方の心境に応じて見え方が変化するのが面白みです。

BORDERLESS - FOREST ※画像の作品は完売しました

Rigna 複雑に色が重なって色の深さが見方によって変わってくるのが興味深いシリーズですね。穏やかな海なのか、荒れた海なのか、明け方なのか、夕暮れなのか、見るとき、見る人によって様々感じ方が変わるのはアートの一つの楽しみ方ですね。それを体感できる作品だと思います。

フロー
FLOW

大橋 次に、FLOW(フロー)という作品シリーズ。作品名のFLOWは「時の流れ」を意味しています。力強く流れるような筆致、樹皮や岩のようなテクスチャが特徴で、個々の模様や色は積み重ねてきた経験や年月を表し、時の流れを経て、美しい結晶と成り輝くさまを表しています。 静かな佇まいながら、力強さを感じる作風で、作品を目にする方が、自分自身の努力や経験の「結晶」を信じ、そっと寄り添ったり、背中を押すような存在になればという想いを込めています。
Rigna 塗料の厚みが陰影を見せて、力強さを感じる、まるで彫刻のような作品ですね。今回展示をしているFLOWのシリーズは比較的コンパクトなものが多いですが、サイズ以上の力強さを感じました。アートとしてもスタイリングするインテリアオブジェ的に素敵に空間に華を添えてくれる作品だと思います。

FLOW - MARBLE 2305011 ※画像の作品は完売しました

クラリティ
CLARITY

大橋 最後に、CLARITY(クラリティ)という作品シリーズ。雲が流れ、時が流れ、だんだんと空が晴れ渡る様子を描いています。こちらは今年に入って生まれた新シリーズで、 私自身が第二子出産後に産後うつになり、永遠にも感じた暗い闇を抜け、やっとスランプを脱したときに頭の中に広がったイメージを作品にしています。作品に散らしているゴールドは「祝福の光」の意味で、眺めるたびにすっと心が晴れるような作品になればと願いを込めています。

CLARITY - CELESTIAL 2310032 ※画像の作品は完売しました

Rigna このシリーズは他の2シリーズよりも色が多く使われていて、幻想的なイメージですね。空が晴れるように・・・・なるほど!そう聞いてからあらためて作品を見てみると、空にかかった雲が流れるように動いているようにも見えてきますね。
大橋 ありがとうございます。どの作品も色は独自に混ぜて作っており、特に最後の仕上げに纏わせることが多いプラチナゴールドは、7素材以上を練って、それぞれの作品の地肌の色に合うように調整して仕上げています。

作品に対する想い

大橋 「今まで知らなかった自分の感性に出会う」という経験を、作品を通じて提供できたらと考えています。アートを目にすることで、「好き(嫌い)」や、言葉にできなくても、いや、言葉の枠を超えて、癒されたり心地よいと感じたりする経験を、ひとりでも多くの方に経験してもらえたら嬉しいです。

リグナとのコラボの理由

大橋 実は2023年4月に初個展を開催したのですが、その際にRIGNAのインテリア事業部トップの村野さんが、私の作品をお迎えいただいたんです。3時間近くお話しして盛り上がって。そこからぜひRignaコラボしませんかとお誘いいただきまして、「ぜひ!!!」と即答しました(笑)。実は私の夢の一つがアートの枠を越えることなんです。もともとアート業界出身ではないからこそ、他業界にまたがる活動をしたいと思っていたこともあり、願ってもない話でした。特にインテリアはもともと好きで、様々なメーカー、ブランドさんの家具や色使いも良く研究しているので、今回のコラボレーションは、とてもワクワクして臨んでいます。

Rignaとのコラボ「Interior×Art」という取組みについて

Rigna 今回は人のつながりでコラボにいたりましたが、我々インテリアを取り扱う側としても、インテリアとアートは切っても切り離せない大事な一つのモノだと思っています。そう思いながらも、なかなかアートを手に取る機会も少ないのが現状だとも思っています。だからこそ我々としてももっとアートを、インテリアを通して知ってもらいたいと考えており、今回の取り組みを実現しました。
大橋 アートとインテリアは、「人に寄り添うもの」という点では同じだと考えています。その空間にいる人の感性を引き出し、「好き」「心地よい」と思う理想の空間を創れること。特にプライベートなお家の中は、人の目や究極、コーディネートを気にせずに自由に自分の感性が向くままに「好き」で埋め尽くすことで、本当の意味での「ホーム」になるのではと考えています。好きなものに囲まれることって、想像の何倍も心地よくて、ワクワクする気がします。私もアトリエは、特に自分の心が動いた、直感で「好き」と思うものだけを置くようにしています。それは、アート、オブジェ、植物に、香水やお香など五感が刺激されるものも含めて。海外のアーティストとコラボして、シングルアルバムで自分の本当に好きと思える音楽まで作ってしまいました。

”First Light in Spring” - Regnum

大橋 アートも、インテリアも、言葉にできなくても、目が離せなくなるものや、心の底から「好き」と思えるものに出会って大切にすることで、より生活が豊かになる好循環をもたらすことができると考えています。そのお手伝いを少しでもできたら、今回の「Interior×Art」のコラボレーションは大成功だと思います。

今後の活動や夢について

Rigna 画家としてのキャリアが3年という今、今後の大橋さんの活動や夢などを教えてください。
大橋 私自身が、もともとアート業界の外からきた人間なので、ぜひアートの枠を超えた他業界との取組を積極的に増やしていきたいと考えています。夢は、「アート×〇〇」で、今までアートに興味がなかったような方にも、少しでもアートを身近に感じてもらえるような取組をすることです。アパレルや、フレグランス、家具メーカーさんなどとのコラボレーションに具体的に興味があります。アーティスト活動は、自分の人生をかけて死ぬまで続けていきたいと思うので、色々と自分らしいワクワクする挑戦をしていきたいです。ぜひ今後も温かく見守っていただけたら嬉しいです!

聡明で明るく朗らかな人柄の大橋さん。表からは想像できないほどの様々な経験を持ち、それを画家として作品に込めている。
その思いは、作品を目の前に据えてじっくりと向き合ってみると伝わってくるのだと思う。

「Interior×Art」という掛け合わせ。インテリアにおいてアートは一つの空間構成の要素であり、それはかけがえのないもの。有名な作家のアートでもポスターアートでも、その空間に住まう人が心地よく、その空間を彩るものであればよいと思う。
これまでも多くのアーティストとコラボをしてきたRigna。今回のコラボをきっかけに多くの方に「アート」を見て、触れて感じてもらいたい。そしてRignaがアートとインテリアの懸け橋になれるようこれからも「Interior×Art」に取組んでいきたい。

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