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工場見学第2弾
~瀬戸内海~

家具の有名な産地と言えば大川、飛騨、旭川などありますが、瀬戸内海にも素敵な家具を作っているところがあるんです。

岡山と広島の県境は備後桐という桐の有名産地でもあります。府中では府中家具、福山では福山家具、松永では松永下駄が生まれました。
広島県府中市では約300年ほど前から家具づくり(タンス作り)が始まり昭和30年頃は高級家具、婚礼家具セットでブランドを築き上げてきました。
そこから現在ではリビング・ダイニング、キッチンなど幅広い家具の生産を行っています。

今回は6代産地でもある広島県府中市のお隣にある福山市と岡山県里庄町にある心石工芸さん、塚本木工さん、AKASEさんの工場内部に行ってきました!!
家具の製造過程を見て、触って、貴重な体験ができました!

心石工芸
〜こだわりの詰まったソファメーカー〜

創業:1969年
従業員数:約35人

「心豊かな暮らしの実現に貢献するために、
共に年月を重ねていけるソファづくりを今日も続けています。」
そのお言葉通り、素材選びや製造過程で、
商品への徹底的なこだわりを感じました。

ソファといえば見た目の美しさ、デザインも大切ですが、
座り心地や耐久性も重要なポイントですよね。
資材選びからこだわり抜かれた心石さんの商品が出来上がっていく様子をたっぷりと皆様にお届けします!

いざ工場内へLet's go!

心石さんは敷地内に2つの工場を構えられております。
木材の切り出しや組み上げを行う工場と、
生地の裁断や張り込みを行う工場。
それぞれの工程に分けて熟練の職人さんが作業しておられました。
どのように商品ができあがっていくのかご紹介します。

1木材切り出し

使用される木材はドイツから輸入した板材。座ったり、寝っ転がったり、あらゆる動作に耐えられるように、【しなりがあって衝撃を吸収しやすいブナ材】を採用しているそうです。それぞれのソファを支える木枠などに使用されるため、必要なパーツに切り出されます。

2組み上げ

切り出されたパーツを基に木枠が組み上げられます。ソファー自体の【軽量化】と【耐久性】が計算され、強度が必要な所は【無垢材】、そのほかは【合板】を使用し、うまく組み合わせるそうです。使用されるバネは、金属でできており耐久性に優れた【Sバネ】をはじめ、【ウェービングテープ】と呼ばれるゴムバネなどを採用されているそう。バネによって座り心地が左右されるため商品によって使い分けられております。

3ファブリック・革の裁断

革の裁断は【全て人の手】で行われます。革の特性で、部位よって柔らかさが異なり素材のままでは均一ではないため、場所によって引っ張ったり、叩いて柔らかくし、加工を行いやすくします。ファブリックは素材が均一のため、機械によって裁断されます。

4縫製

この工程では数名の女性が作業されていました。前の工程で裁断された生地をミシンを使って縫製されております。革の縫製はここでもハンマーで叩き、柔らかさを均一にしながら作業されておりました。ソファメーカーでは珍しく、【革の種類も豊富に取り揃えられている】心石さんでは、ファブリックと革の人気は五分五分だそうです。

5ウレタンの貼り付け

座り心地だけでなく、デザインによっても貼り方や種類を替えられるそうです。パキッとしたイメージや、コロンとかわいらしいデザイン。ウレタンの重ね方によって、見た目の見え方も変わってくるそう。心石さんではソファを長くお使いいただくことを前提とされているので、【ソファのへたり】にも着目し、【密度に高いウレタン】を採用されているそうです。ゴムのりを噴出して隙間なく貼っていきます。

6張り・仕上げ

「革の張りは難しいんです!」革が弛んでしまわないよう、しっかり引っ張って平す。適度な力のいる作業のため、指紋がなくなってしまうこともあるそうです。 「ここの工程は特に技術が必要」と社長。座面・側面の張り、裏面の裏地の張りが手際良く行われていて、職人の技が光っておりました。

心石の革って?

心石さんでは革ソファが有名なのですが、それはなぜなのか。
工場見学を通じて感じたのは徹底した革に対するこだわり。
「良い革」は人それぞれであり、使う人にあった「良い革」をお使いいただいたいというお考えがあっての事。

【SOFA FACTORY with leather products】と掲げられているように、
革への徹底されたこだわりを感じられます。

<革選び>
心石さんには世界各国で仕上げられた革が入ってくるそう。
それぞれの革が、地域の気候や環境にあった鞣し方が施されております。

例えば「染料仕上げ」のKWは北海道の牛革を採用されているそう。
寒い地域で育った牛は皮が厚く、高い耐久性があります。
鞣されたヌメ革にオイルをたっぷりしみ込ませる事で、
しっとりとした肌触りに。
「染料仕上げ」で塗膜がないため
できるだけ素肌の綺麗な革が選ばれますが、キズやナチュラルマークも革本来の風合いとして感じられます。

<選べる革の豊富さ>
心石さんで取り扱いのある革の種類(仕上げ)は大きく分けて4種類。
・染料や塗装も行わない「素上げ」
・塗膜は張らず、染料(着色する材料)で染める「染色仕上げ」
・革らしさは感じられつつも、薄い塗膜で保護する「セミアニリン仕上げ」
・塗膜がコーティングされ、比較的メンテナンスのしやすい「顔料仕上げ」

「機能性重視」の方にも「デザイン重視」の方にもお答えできるよう、
様々な種類の革がお取り揃えられているのが、心石さんの凄さです。

革ソファーって実際どうなの?

「革ソファーに憧れるけど、洗えないし、手をだしづらいなぁ・・」
そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

革のプロに革ソファの良さをお伺いしました。

革の特徴といえば、やはり長くご使用いただける事。
ファブリックでも約10年と十分長いですが、顔料仕上げだと約15年、 染料仕上げできちんとメンテナンスをしてあげると、使用環境にもよりますが約30年お使いいただける事も。

また、経年変化があるのも革のもつ特質です。
年月が経つにつれ、どんどん色が深まってくるので、高級感と存在感が増していきます。
洗うことはできませんが、経年変化した革は新品では表現できない味わいがあり、その魅力を求める方も多いです!

塚本木工

創業73年、広島県福山市にある
一生モノの家具を製作しているメーカー

従業員数:約26人

「優しさ」「温もり」「味わい」「色」「一生モノ」
自分の人生と一緒に経年変化を楽しみ、家具と生活の中にストーリーを持たせる。
渋さの中にロマンがあります。
使い混む程に味わいが出てきます。

木の家具の楽しみ方や空間づくりのお話を聞いてきました。
生活の中に長く寄り添ってくれて人生を共に出来る家具と出会えたら素敵ですよね。

工場内部へ潜入

工場内部へ!!!切り出された肘、背持たれの各部分のパーツがズラリと並んでいます。声が聞こえないくらい、カットする音が工場内に響渡っています。

綺麗に組まれております

各パーツの組み立てはダボ組み(木材同士を簡単につなぎ合わせることのできる方法)組み上げて行きます。この穴と木の出っ張りを組み合わせて行きます。

組み上げたフレームを塗装一つ一つムラの無いよう手作業で丁寧に仕上げて行きます。

座面張り込みはこだわっているため秘密ですが....
座面裏目は 主に3種類で施されています。
〈Sバネ〉
ベッドに使用されているコイルスプリングより跳ね返りは少ない感覚です。
適度に弾力感のある座り心地にしてくれます。
〈ダイメトロール〉
人間の脂肪に近いと言われてるクッション材。
しっとりした感触で体にフィットしやすく大きな沈みこみ跳ね返りが少ないので
安定した座り心地です。
〈ウェービングテープ〉
ウェービングテープは強度が異なる物を混ぜて座面裏に格子状に張り巡らされるため
通気性が良いのが特徴です。
跳ね返りは大きくないがふかふかした感覚で沈み込みます。

続いては工場の隣にある建物へ

なんだか芸術的

続いて案内して頂いたのはこちらの工場に隣接している学校のような空間。
中には所狭しと並べらた作品の椅子。見上げたら上にも椅子が並んでいてビックリしました!!
なんだか昔懐かしい空間に思わずワクワクしました。

椅子を見て塚本さんは「同じ椅子でも置く空間によって見え方が大きく変わること」
どんなに素敵でも埋もれてしまっては意味が無いと笑いながら塚本さんがお話してくれました。

ミニチュア好きにはたまらなかったです。ちょこんとお鍋も可愛らしいです。

塚本さんの制作した椅子が天井部分にまで飾られていました。月9ドラマの月恋のリン・チーリンチェアも見ることができました。

後ろの脚にこうして木を挟んで調節する事で自分にあった高さの椅子を探って行きます。たった1㎝で立ち座りが全く異なってきます。

なんだか懐かしいような学校のような空間でした。

塚本木工のおすすめ商品

座り心地、強度、デザインを追求したこちらの椅子
リグナでも展示をしているので是非一度お試しいただきたいです。
名前の由来の通り、背面に寄りかかると背もたれが後ろにスウィングするんです。
また背面腰のあたりの膨らみがあり座ると自然に腰を支えてくれます。
腰痛持ちの方、座っていてすぐに腰が痛くなってしまう方には是非体感して頂きたいです。
そして座った時に重心が下へ真っ直ぐ下りていることで骨盤が立った状態になるので腰への負担を軽減することができます。
また、椅子の後脚を少し高くすることで立ち座りも楽になるのでなかなかしっくりこない時は厚みのある板の端材などを後ろ脚にかませて調整してみるのも良さそうです。
因みにこちらの椅子は座面生地の張り替えも可能です!
ところが、塚本さんへ聞いたところいまだにへたりでの張り替えの交換依頼はないとのこと。
それくらい生地もしっかり張り込まれています。
スウィングチェアは、牛革の他にも珍しい馬革もございます。

AKASE
〜100年後まで愛されるアンティーク家具へ〜


創業:1961年
従業員:179人

最後は、岡山県に本社を構える家具メーカー「AKASE」へ。

創業以来婚礼家具を主流としていましたが、
時代の変化に対応し脚物家具へ軸足を転換し、
2006年に「MASTERWAL」ブランドが誕生します。

ウォールナットを極めるという思いから名づけられた「MASTERWAL」は、Rignaでも高い人気を誇ります。

ファクトリーツアーSTART!

数年前から海外展開もされており、世界に通用する“魅せる工場”を目指している「AKASE」。
機械の音で聞こえづらいことから、私たち全員にインカムと
「MASTERWAL」オリジナルミネラルウォーターが用意され、いざ工場内へ。

説明の際に、度々出てきた「トヨタ生産方式」
これにならった方式を取り入れている企業も多く、
ムダを無くすことが重要な取り組みとされています。
その為、ショールームは勿論のこと、工場内も驚くほど綺麗に整っており、
梱包に関しては無駄なゴミを増やさないよう梱包材を独自で作っていました。

また、職人さん達の無駄のない手つきや、モノづくりに対する真剣な眼差しが印象的でした。

製品はすべて受注生産を行い、加工や仕上げ、梱包までの工程を一貫して自社で手がけています。

パーツごとに木材をカットしていきます。

無垢材には、それぞれゆがみやキズがありますが、なかでも状態の良い物だけを選んでいきます。

こちらの焼印が正規品の証です。マスターウォールの品質を保証し、製造年月より3年を無償保証期間としています。

この様にチェアのパーツは綺麗に並んでいます。

カラフルな糸もこんなに沢山あります。

ファクトリーショップへGo♪

その後、製造工場のファクトリーショップへ。

広い店内は美しい「MASTERWAL」の商品がほぼ全ラインナップを見ることができます。
その他にも、DIY材・端材コーナー等のサービスもそろっています。
また、オリジナルクラフトビールや、コーヒーが味わえるカフェ「THE GREAT LAKES」があり、
「AKASE」の世界観をまるごと体感できるショップになっています。

最後には、カフェでホッと一息。
美味しいコーヒーとクラフトビールを美味しくいただきました。

ショールーム内にはほぼ全ラインナップしています。

大人気YUシリーズの 「UC7」 ダイニングチェアと 「UT4」 ダイニングテーブルです。

最後にオリジナルのクラフトビールや、コーヒーをいただきました。

マスターウォール おすすめ商品

ショールームで一際目立っていたのが、こちらのYUシリーズから新たに登場した「UC9」のダイニングチェア。

モールドウレタンによる、体に沿うように成型された美しいプロポーションと、クッション性のある座り心地が特徴のアームチェア。

無垢材を曲線的に削り出した脚と、座る人の優しく包み込むような成型されたモールドウレタンのシートを組み合わせすることで、優しい印象のフォルムに仕上がっています。

いかがだったでしょうか。

ひとつひとつが職人の手により、作り出された伝統の手仕事の数々。

国産家具で上質なインテリアと暮らしでおうち時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?
なかなか人と触れ合うことが少なくなった世の中ですが、
ひとつひとつ手で作られた、職人、デザイナーのぬくもりや想いを感じていただければと思います。

最後に…心石工芸さん、塚本木工さん、そしてAKASEさんの皆様、
この度は工場見学やショールームのご案内いただき誠にありがとうございました。

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