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インテリアスタイリスト 窪川勝哉の ONE ITEM, ONE CUT. Vol.11 -世界でいちばん有名な椅子 -

インテリア&プロップスタイリストの窪川勝哉さんが、毎号Rignaのアイテムの中から1アイテムをピックアップ。そのアイテムのまだ見ぬ魅力を引き出す「映え」なワンカットをスタイリングしてもらう連載企画。第11回は、名作中の名作として知られるハンス・J・ウェグナーの「CH24 Yチェア」が選ばれました。

窪川勝哉

1974年山梨県生まれ。インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深いインテリアスタイリスト。バンタンデザイン研究所インテリア学部在学中より空間プランナー赤松珠抄子氏に師事し、インテリアスタイリストの道へ。2002年独立し、小道具や撮影背景のスタイリングを担うインテリア&プロップスタイリストとしてテレビ番組などのインテリアコーナーや、雑誌のインテリアページのスタイリングを手掛ける。そして雑誌、TV等のメディアでのスタイリングだけでなく、ウインドウディスプレイや マンションのモデルルーム、イベントのデコレーションなども手がける。2011年渡英。1年半の英国滞在を終え、2013年より再び拠点を ロンドンから東京に移し活躍中。東洋大学ライフデザイン学部非常勤講師。

今回の ONE CUT

Photo : Takeshi Sasaki
完璧なチェアの代表ともいえる、Yチェア。

ウェグナー(ハンス・J・ウェグナー)がデザインした500脚以上の椅子、その中で一番有名なのがカールハンセンのこのYチェア、CH24なんじゃないかと思います。まさに完成された美しさで、ダイニングチェアのアイコン的存在。世界中のすべてのデザイナーが目標としているようなマスターピースです。70年近く前に発売されたものなのに全く色褪せないですし、今もこれからも、名作で、ベストセラーで有り続ける椅子だと思いますね。

Yチェアは色々なバリエーションがあるんですが、今回選んだブラックフレームとナチュラルペーパーコードのバイカラーは特に今っぽいというか、現代の空気に合っている感じがあります。コーディネート的にも、2色で構成されていることによってナチュラルなテイストともモダンなテイストとも相性がいい。それと、ブラックフレームは明るい壁面に合わせるとアウトラインが映えてより美しく見えます。

座面に使われているペーパーコードは丈夫かつ適度に柔らかくて、通気性があるから夏でも蒸れにくい。張替えもできます。そういう、素材の選び方からみてもすごく考えられてる。だから、大切に使っていけば本当にずっと使い続けられる椅子ですね。(窪川さん)

Photo : Takeshi Sasaki

きました。名作中の名作、ウェグナーのYチェア。同じウェグナーのデザインでppモブラーから出ている「THE CHAIR」というケネディ大統領も座ったチェアがありますが、個人的には「ザ・チェア」の称号はこのYチェアにこそ似合う気がします。検索してみたら、世界累計販売脚数は70万を突破しているそう。窪川さんの言葉通り、まさにチェア界のアイコン的存在です。Yチェアといえばビーチやオークの木地色が人気のイメージがありますが、コーディネートのしやすさにおいては、実はこういうバイカラーの方が懐が深いのかもしれませんね。(スタッフ:有汲)

次回は初の収納家具。「ソーロ フリーシェルフ」をスタイリングしていただきます。どうぞお楽しみに。

今回の ONE ITEM

CH24 Yチェア

椅子の巨匠、ハンスJ.ウェグナーの代表作。デザインは1949年、翌年の1950年から生産され、60年以上に渡り生産が継続、北欧モダンの名作として世界中で愛されてきました。木材とペーパーコード、Yチェアの素材はすべて天然素材。木材のもつ、凛とした存在感と温もり。そして座面に使用されるペーパーコードの耐久性と優しさ。曲げ木加工されたアーム部分、積層合板で製作されるY字形の背もたれ、そして優雅な曲線を描く後脚。現在も100を超える工程が人の手を通して行われています。特に座面は120mのペーパーコードを、熟練した職人が1時間近くかけて編み上げています。

その他撮影に使われたアイテムたち

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